業務報告は書けるのに、手帳は書けない。そんな私が、自分のために書けるようになった3つのコツ


子どもの頃、私は毎日、日記を書いていました。

鍵っ子で、両親ともフルタイムの会社員。
親は心配だったのだと思います。
その日に何をしたかを、ありのまま書くように言われていました。
学校でどうだったか、テストがあったか、友達とどうだったか。

幼い私は、書きたいから書くのではなく、毎日書けと言われていたものだから書く。
今の言葉で言えば、まさに、『業務報告』でした。

業務報告だから、テンションなんて上がりません。
宿題の一つみたいなものでした。
だから、中学生になって忙しくなり、いつも同じことだけしか書かなくなったせいか、
両親もきっと読むのがつまらなくなったのでしょう。

ついに、うるさくチェックされなくなって、無事に書かなくなりました。
やいやい言われなくなって、ほっとしたのを覚えています。
それから長いあいだ、私は「誰かのことは書けるのに、自分のことは書けない人」でした。

新卒で入ったKDDIの会社員のときは、
フランクリンのシステム手帳を持ってはいました。
憧れの仕事ができる先輩が手帳を使いこなしていらして、かっこよかったのを覚えています。

私も、仕事ができる人になりたいという願いと、
ちょっとした見栄が大半で、その先輩とお揃いのフランクリンのシステム手帳を買いました。

当時の私にはお高かったです。
実際は、仕事の予定と業務報告を書くためのメモみたいなものだったので、
ずっと会社に置きっぱなしで、家には「持ち帰らない置き手帳」でした。

結婚して、子どもを授かったタイミングで仕事をやめてからは、
学生のときと同じ手帳に戻りました。
ミスタードーナツの付録のダイアリーです。(ご存じですか?)

どうしても使いたいわけでもなく、なんとなく毎年集めていました。
正直、日々、会社員時代とは全く違う、子ども中心の時間軸でしたので、
特別に書くこともありませんでした。

でも、毎年集めていたのはなぜだったんだろう。
手帳を持っていることが、社会との『最後の砦』になっていたのかもしれません。
ただ、わざわざ「この手帳が書きたい」と思うほどのことはなかったので、
私自身は、人よりも書くことが好きなわけではないという自覚がありました。

業務報告は書ける。会社の手帳は書いていた。

でも、自分のためには、プライベートは、書くことがない。


もし今のあなたがそうなら、それは、あなたの書く力の問題ではありません。

あの時の私もそうでした。
でも、今の私は、自分のためだけに使っています。
手帳を書くことで、明らかに、自分の最高の365日に近づくことができるようになりました。
私が、業務報告ではない、自分のための手帳が書けるようになるまでに、変えたことが3つあります。

1|やるべきこと・約束・期限「以外」を書く

手帳が私自身の”力”になったのは、業務報告ではメインとなる【やるべきこと・約束・期限「以外」】を書き始めてからでした。

業務報告と会社の手帳に共通していたのは、「他人に決められたこと」のためしか書いていなかったことです。

学生の頃のミスドのダイアリーも、予定は、授業とバイトとデートで、めいっぱい。でも、あの時のダイアリーは単なる『予定メモ』でした。

自分を動かすライフスケジューリングでは、予定をこう定義しています。

◆予定とは、やりたいことと実現可能な時間をくっつけたもの


やるべきこと・約束・期限は、他人から来た時間です。自分が望むことを書かなければ、手帳の中身は、他人との予定表のまま。

ここで、一つデータを置きます。

総務省の「令和3年社会生活基本調査」によると、10歳以上の日本人の1日は、週全体の平均で、睡眠や食事などの1次活動が10時間57分、仕事や家事などの2次活動が6時間47分、自由に使える3次活動が6時間16分です。そして3次活動の6時間16分のうち、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌が2時間8分、休養・くつろぎが1時間57分、学習・自己啓発・訓練は13分です。

(出典:「令和3年社会生活基本調査結果」総務省統計局)


自由に使える時間は、平均で1日に6時間あります。使える時間がないのではなく、何を得るために使いたいのかを考えていなかった。だから、いつのまにか、誰かのための予定でいっぱいになっていたんです。私が主婦のときに手帳に書くことがなかったのは、自由に使える6時間に何を入れたいか、決めていなかったからでした。
手帳に何を書くのか。私は、まず、これを変えました。
「時間に、目的を持たせること」
以下の写真は、独立を目指しているデザイナーさんのFORCEスケジュールブックの1ページです。年間プランを書いておくページですが、まるで、仕事のプロジェクトのように、自分の時間のテーマが決まっています。テーマが見えていると、優先順位も明確にしやすくなります。


結果、「年末の振り返りが楽しい!こんな風に、やりたいことがやれた一年は初めてでした!」という嬉しいメッセージ、これ、セミナー受講者からよくいただくお声なんです。

2|書く時間は少なく

子どもが2人になり、夫が忙しくて休日も出勤することが多かったため、私の時間は、ますます家族のサポートがメインで動く毎日になっていました。30歳のとき、ママ友に誘われて、気分転換に硬式テニスを始めました。素人主婦が、ドキドキしながらテニスウェアに着替えてラケットを持ってスクールに通い始めました。

初めてのことは、なんでも楽しいものです。サーブが入るようになった。バックハンドが打てるようになった。自分が全然できなかったことができるようになるのが、ダイレクトに感じられていくと、いわゆる、下手の横好き状態。

同じことの繰り返しばかりだった毎日の中で、テニスコーチが褒めてくれることや、職場でも家庭でもない場所で、自分が成長している手応えを感じられるのが、とてもとても嬉しかった。

テニス仲間に「試合に出てみない?」と初心者の試合に誘われ、なんだか面白そう、と参加するようになった頃、それまで使っていたポイントでもらえるミスドダイアリーから、新しい手帳を買いました。無印良品の手帳です。とはいえ、最初は真っ白。忘れないように、テニスレッスンの予定だけを書いてました。

そのうち、楽しいテニスにすっかりはまって、ワンオペ育児の中で、どうやったら練習時間を捻出できるか、朝から効率よく動くことを考えるようになって、いろんなことを前向きに進めていけるようになりました。決まった時間の中から、新しいことに取り組む時間を作り出す。無印の手帳と向きあう時間は、自分の好きなことをする時間を創り出すための作戦会議の場所になりました。

育児と家事で、あんなに時間がないと思っていたのに、私の場合は、「時間ってできるんだ、どうとでも作れるんだ」とすぐに感じるようになりましたね。子どもが公園で遊んでいる時に懸垂したりランニングしたり。

「暑いし、寒いし、体力使うのに、30代からよくやるよね〜」と、これまで子どもつながりで関わっていたママ友や、自分の親には言われていました。自分でも全くその通りでした。実際、晩ご飯の準備をしながらうたた寝して、気づいたら夜になっていたり。雨が降ってきたことにも気づかず、洗濯物はそのまま。やり直す元気がなくて干しっぱなしで、次の日に取り込むこともありました。(今なら、乾燥機という強い味方があると思うのですが)

育児と家事にも、テニスでの疲れは出てきていました。それでも続けていくうちに、いつのまにか体力がついて、少しずつハードな予定をこなせるようになったり、負けてもすぐに手帳に書くことで区切りをつけられて、タフでいられる。自分のキャパが広がるんです。育児や家事をやっても、疲れ具合が変わってくる。

時間がない人が自分のキャパを広げながらうまく時間を使えるようになるポイントは、手帳開発者の私が言うのは変に聞こえるかもしれませんが、書く時間は少なく。手帳に時間をかけすぎないで、その先の未来に時間を使うことです。真っ白でもいい。始めから、書く内容を濃くしないでいい。その時の私は、レッスンの予定だけでしたから。

いい計画を書こうとお気に入りのカフェに行って、あれをやろうこれをやろうと手帳に書いても、次の日になると、自分の気持ちが乗らない日があります。それって、当たり前なんです。私の経験では、書くときが、一番、モチベーションが高いので。書いた後からはモチベーションが急降下することもよくあること。体調や体力、気力が満たされていなかったら、何にもやる気になれない。

そんな時は、自分を責めないで、今日はちょっと疲れているからスロースピードに切り替えてあげてください。そうすれば、今日はすごく調子がいいから、ガンガン進めていこう。と思える日も感じられるようになります。

そうやって、いつも自分に厳しくするのではなく、自分の【体力・気力・使える時間・意欲】を、自分で測りながら、経験を繰り返して、自分のキャパを少しずつ広げるのと同じスピードで、欲しい結果を手に入れるため戦略的に『自分を動かすライフスケジューリング』をするようにしていきました。


この4つ【体力・気力・使える時間・意欲】を、『自分を動かすライフスケジューリング』では、「FITの4つの基準」と呼んでいます。これは、予定の状況と自分の状態を合わせて、この順に見ながら馴染ませていくことが、自分を疲弊させずに、自分を思い通りに動かすコツです。

どれくらい書くか。次に、これを変えました。

3|答えはないんだけど、答えを決める

そうして、戦略的に、自分を疲弊させず、自分を思い通りに動かしながら、やりくりして作った時間を、テニスの練習時間にしながら、出場した腕試しのテニスの試合では、13回続けて初戦で負けました。「次こそは」と意を決して参加しても、ずっと負け続けた1年間。

さっき、意気揚々とコートに向かっていったのに、数分後には負けて、ロッカールームに戻ってくるので、おしゃべりしているプレイヤー仲間に会うと恥ずかしくて。

その頃、手帳に書いていたのは、試合の反省ばかりでした。そして、誰にもいえない心の内と葛藤を、手帳に書き殴っていました。10回目に負けた日ぐらいでしたね、泣きそうになるのを堪えて、ロッカールームに戻る途中、当時のテニスコーチに呼び止められたんです。

「浅野さん、試合って”試し合い”って書くんですよ、ちなみに、誰と”試し合う”と思います?」そう聞かれて、自分が自滅している原因がわかりました。

試し合うべき相手は、過去の自分。積み上げてきた時間は、嘘をつかない。

「どうやったら勝てるか」の答えはないんだけど、私が納得いく答えを決めるんだ。


それでその日からの手帳に、「どうやったら勝てるか?」思いつく限りの方法をあげて、できることから少しずつ練習に取り入れていくようになりました。無我夢中でとにかく強くなりたいと焦っていたけど、計画を立てて、自分が決めた答えに基づいて、練習するようになったんです。その計画と気づきの記録を、自分の本音で手帳に書くようにしました。

そうして、14回目で、ついに一勝することができました。実は、ドラマのようですが、初勝利のその日に、優勝したんです。そこから、私と手帳は、どんどん進化しました。勝ったり負けたりしながら10年続けた40歳の時に、全国大会で3位という実績を出すことができました。

手帳に心の内を書くことには、いまだに少し身構えます。「この予定は、何のため?誰のため?」「その目標、かっこつけてない?」と聞いてくる、小さい頃の弱い自分が出てきます。でも、答えがないから、自分で決める。少しずつですが、自分らしい手帳を右腕にして、自分を動かせるようになりました。

研究でも、近いことが言われていましたのでご紹介します。効果の証明ではなく、私の実感と近い、という位置で読んでもらえたらと思います。

Gollwitzer と Sheeran(2006)は、「いつ・どこで・どうするか」まで決めておくと、目標に向かう行動が起きやすくなることを、94の研究をまとめて示しています。私の手帳の目的の一つである「答えを決めるために、書く」は、これに近いと思っています。

(出典:Gollwitzer, P. M., & Sheeran, P. (2006). Implementation intentions and goal achievement: A meta-analysis of effects and processes. Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119.)

「夏悠さんは、なんのために手帳を書くのですか?」


よくいただくご質問なのですが、私の回答は、「自分を幸せにするための手段」一択です。

デジタルもアナログも、自分を幸せにするためのツールだと思っているので、
自分のキャパと相談しながら、目的に合わせて使いこなしたいと思っています。

何のために書くか。最後に、これを変えました。

今日お伝えしたかった3つ

1|やるべきこと・約束・期限「以外」を書く(何を書くか)
2|書く時間は少なく(どれくらい書くか)
3|答えはないんだけど、答えを決める(何のために書くか)


実は、この順番にも意味があります。
業務報告しか書けなかった私が、自分を幸せにするために手帳を書くようになりました。
セミナー受講2.7万人、FORCEスケジュールブックは、累計4.6万冊を超えました。
その中で、テニスも手帳も道具を使いこなすのが速い人の特徴は同じ。
成果を出した人から習うのが、上達の早道です。

手帳の使い方はこの順番から始めて、書く時間は少なく、
その先の未来の時間を多くして、限られたあなたの時間をぜひ活かして欲しいと思っています。
使いこなす感覚が掴めれば、使い方は無限大∞です。



45歳で起業して、55歳で3つの法人を経営しています。
手帳は、自分の生き様そのもの。右腕であり、相棒であり、親友であり、コーチです。

今週の一手
今週、手帳の一か所に、やるべきこと・約束・期限「以外」を何か一行だけ書いてみてください。
例えば、「この一年、どうなったら最高?」の答えでもOK!今日の心の内でも構いません。
書いてみたら、何が動くのか、ぜひお楽しみに。


11月1日、銀座でお会いしましょう

「時間を動かす=スケジューリング」&「感情を書く=ジャーナリング」を、
実際にやる3時間セミナーがあります。

伊東屋 × 日本スケジューリング協会共同主催
「未来は、書きながら見つけていく。」
心と時間をつなぐ スケジューリング&ジャーナリング 特別セミナー

2026年11月1日(日)13:00〜16:00
銀座伊東屋 本店10F HandShake Lounge
定員30名(先着順)/伊東屋の店頭・オンライン申込限定
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スケジューリングで現実の時間を見つめ、ジャーナリングで心の内を見つめる。
二つの「書く」を、銀座伊東屋の特別な空間、10階のハンドシェイクラウンジでご一緒しませんか。
時間を、力に変える3時間です。

手帳と時間の話の続きは、公式LINEで。|https://lin.ee/ruUwsc9
毎月4日には、購入者限定セミナー(無料)で、
開発者の私がオンラインで使いこなし方をお話ししています。使い方のヒントは、ぜひそこで。

FORCEブランド公式ショップはこちらから|https://shop.thirdtimelab.com/

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